テレビゲームあれこれ日記

懐かしの“ゲームブック”

 先日、部屋の掃除をしていたところ、無数のガラクタの中から薄汚い文庫本を何冊か発見しました。
 手に取ってよく見ると、それらは双葉社の“ファミコン冒険ゲームブック”シリーズという、かつてゲーム関連書籍の一ジャンルとして人気を博した文庫シリーズの作品群でありました。

 樋口明雄・著『ドラゴンクエスト 蘇る英雄伝説』といったシリーズ初期の名作を始め、懐かしいタイトルがいくつか見つかりました。掃除の手を止め、思わず読み耽ってしまったことは言うまでもありません。

 ゲームブック――それは読者が物語の“主人公”となり、読者自身がストーリー展開を次から次へと選択していって、ハッピーエンドに到達するまでのプロセスを楽しむ(もちろんゲームオーバーもあります)という、簡単に言うと“読者参加型の小説”のことを指します。一時はブームにもなり、国内外の作品が文庫や新書などで大量に刊行されました。

 1985年に『スーパーマリオブラザーズ』が登場してファミコンブームが本格化すると、それに便乗する形でファミコンのソフトを題材にしたゲームブックが続々と発売されるようになります。冒頭に挙げた双葉社の“ファミコン冒険ゲームブック”はその代表格で、当時小学生だった僕はこの文庫シリーズが大好きでした。内容どうこうより、とにかく値段の安さが魅力でしたね。

 ファミコンのソフトは一本5,000円もするけれど、文庫本のゲームブックは500円もあれば買えてしまう。小学生でもお小遣いで買えるわけです。

 ただ、マンガや小説が映画化されると大抵オリジナルの良さが損なわれてしまうのと同じで、ゲームブック化された作品が、オリジナルのゲームソフトを超えることなど、まずありません(テレビゲームと活字は別モノですから本来は比べられないのですが、しかし、それにしたって当時のゲームブックには酷いものも多かった……)。

 ところで、ファミコン系ゲームブックの中で、僕がいまだに忘れられない名作が四作品あります。以下、ちょっと駆け足でご紹介(順不同)。
 
 一つめは『未来神話ジャーバス』。残念ながら著者名を失念してしまったのですが、テーブルトークRPGのソロアドベンチャーを思わせるサイコロを使った戦闘が味わい深く、またストーリーも感動的で、少なくとも本家(ファミコン版)よりはよっぽど面白いんじゃなかろうか? というレアなケースです。

 二つめは、ゲーム構成:雅孝司 文:あかほりさとる『ジーザス』。これは本家(ゲームソフト)の作者である雅孝司自らがゲームブック化を手がけた、ということでも貴重な一品。スリリングなストーリー展開が素晴らしい。

 三つめと四つめは、まとめてご紹介。

『ディープダンジョン ルウの遺産』と、『探偵 神宮寺三郎 原宿・表参道殺人事件』。両作ともに、著者は関島りょう子。この人はいま何をしているのかは存じませんが、かなりの才能の持ち主であったことは確かです。

『ディープダンジョン』では本格ロールプレイングゲームの醍醐味(経験値、お金稼ぎ、マッピング)が楽しめるように工夫が凝らされているし、『神宮寺』では当時としては珍しく、ゲームブック用の書き下ろしストーリーが展開されるのですが、これがまた本家を食いかねないほどの面白さ。
 
 関島りょう子のゲームブックに対する情熱や引き出しの多さが窺えます。この女、一体何者――?
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by atom211974-3 | 2006-07-08 20:09
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