テレビゲームあれこれ日記

『ドラゴンクエストX』 正式発表で思ったこと

 ニンテンドーWii / Wii U向けに開発が進められている『ドラゴンクエスト』シリーズ最新作の正式タイトルが発表されましたね。その名も『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』。

 今回はシリーズ初のオンラインRPG。遂に来たか、という感じです。

 シリーズの生みの親であるゲームデザイナー堀井雄二(ほりい・ゆうじ)氏は、すでにファミコン時代の昔から「オンラインRPGを作りたい」と言い続けてきた人間の一人でした。今回、その念願がようやく叶ったといったところでしょうか。

 しかし意外だったのが、堀井雄二の今回の役どころ。

 いままではずっと「シナリオ&ゲームデザイン」という、きわめて職人的な領域を受け持っていました。それが今回、ナンバリング・シリーズで初めて「ゼネラルディレクター」という立ち位置になっています。
 念願のオンラインゲームの開発チャンスなのに、なにゆえ現場の最前線からちょっぴり後ろに退いた形になっているのか。

 この傾向は前作『9』の時から顕著になり、今回の『10』で決定的になりました。

 昔の『ドラクエ』のような「作者=誰それ」と明示する“作家主義”が、大人数のスタッフが関わる『10』の制作に馴染まないなどの理由から、たまたま今回は「ゼネラルディレクター」という立場を選んでいるだけなのかも知れませんが――。
 
 それに堀井氏は、若いスタッフにどんどんチャンスを与えるタイプの人物であるらしい。

 そのせいで前作『9』のシナリオは酷いありさまでしたが(笑)、それでも固いことを言わずに、「みんなで楽しく作ろうよ」とばかりに、若手にチャンスを与える。きっとそこには、堀井氏なりの考えがあるのでしょう。

 ただその副作用として、『ドラクエ』からだんだん“堀井節”(※注:堀井氏の手による絶妙なセリフ回しと、その積み重ねによる巧みなストーリーテリング)の楽しさが失われつつあることも事実です。

 当の堀井氏自身は“堀井節”なる文体に、ことさらのこだわりは持っていないらしい。

 しかし、『ドラクエ』シリーズが今日まで高い人気を保ち続けて来られた最大の要因は、堀井氏による“堀井節”のシナリオに他なりません。
 けっきょく、みんな“お話”の顛末を知りたくて『ドラクエ』を遊ぶのですからね。それがなくなったものを『ドラクエ』本編として売るべきなのかどうか。

 長らく愛されてきた『ドラクエ』のそうした独自の魅力について、堀井雄二自身にも無自覚なところがあるのではないか。

 その辺のことを堀井氏がどう考えているのか僕は知りたいのだけれど、そんなことを突っ込んで訊いてくれるメディアもないし……。

 そうそう、『ドラクエ』最新作と言えば、毎回「開発会社がどこになるのか?」ということが興味の対象でしたが、今回まさかのスクウェア・エニックス社の内製! いやあ、いまの傾いたスクエニで大丈夫なのかなあ。
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by atom211974-3 | 2011-09-05 22:59
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