『FF12』しょーもな物語 ~おのれピロピロの巻~
バッガモナン「ぶっちゃけダメ元のつもりだったのにww気づいたらいつの間にか卒業してたよ。
http://dtjapan.net/mop/clatom8a6txrn.hmtmlこれでやっと飲み会で妄想話さなくて済むwwwってか、卒業すると自信付くね、普通に」
バルフレア「ご卒業しなきゃつかないような自信なら、始めからつけないほうが何かと身のためだぜ? 俺だったら――」
あたかも疾風の如くに、考えうる最小の回転半径で敵の背後に回り込むバルフレア――。その手に構えられたヴェガの銃口が、バッガモナンのこめかみに一分の狂いもなく精確に据えられる。
バッガモナン「う、ウガああ!」
バルフレア「飲み会でありのままを話して恥をかくほうを選ぶがね。お前を馬鹿にしたがる奴らは、全員お前みたいな奴らなんじゃないのか? いっそ教えを乞いたいくらいだが、誠に残念ながら今はその時間がない」
バッガモナン「き、貴様――!」
バルフレア「悪く思うなよ。あいにくと俺は殴り合いの喧嘩が得意じゃあないんでね」
かちり、とヴェガの撃鉄の上がる乾いた音が虚空に響いた。
バッガモナン「ギ……。ぎょええええーーー!」
バルフレア「まあ聞きなよ」
バルフレアは声を潜めた。すっと細められた皮肉げな目には、しかし確かに焦りのような色があった。「勝負はおあずけだぜ。悪いがいま、俺たちはそれどころじゃあない」
バッガモナン「……?」
バルフレア「あの空賊志望のヤンチャ坊主が、どうやらおかしな毒に冒されちまってな。早急に特別な毒消しが要る。時間がない。さあて、どうする?」
バッガモナン「く、くそ……! お、覚えてやがれ!」
恥も外聞もなく踵を返して走り去るバッガモナン。子分たちの足音がそれに続いた。
バルフレア「行くぜ」
南門から舞い込む微かな砂煙の中で、バルフレアは仲間たちに言った。
http://dtjapan.net/mop/clatom8a6txrn.hmtmlこれでやっと飲み会で妄想話さなくて済むwwwってか、卒業すると自信付くね、普通に」
バルフレア「ご卒業しなきゃつかないような自信なら、始めからつけないほうが何かと身のためだぜ? 俺だったら――」
あたかも疾風の如くに、考えうる最小の回転半径で敵の背後に回り込むバルフレア――。その手に構えられたヴェガの銃口が、バッガモナンのこめかみに一分の狂いもなく精確に据えられる。
バッガモナン「う、ウガああ!」
バルフレア「飲み会でありのままを話して恥をかくほうを選ぶがね。お前を馬鹿にしたがる奴らは、全員お前みたいな奴らなんじゃないのか? いっそ教えを乞いたいくらいだが、誠に残念ながら今はその時間がない」
バッガモナン「き、貴様――!」
バルフレア「悪く思うなよ。あいにくと俺は殴り合いの喧嘩が得意じゃあないんでね」
かちり、とヴェガの撃鉄の上がる乾いた音が虚空に響いた。
バッガモナン「ギ……。ぎょええええーーー!」
バルフレア「まあ聞きなよ」
バルフレアは声を潜めた。すっと細められた皮肉げな目には、しかし確かに焦りのような色があった。「勝負はおあずけだぜ。悪いがいま、俺たちはそれどころじゃあない」
バッガモナン「……?」
バルフレア「あの空賊志望のヤンチャ坊主が、どうやらおかしな毒に冒されちまってな。早急に特別な毒消しが要る。時間がない。さあて、どうする?」
バッガモナン「く、くそ……! お、覚えてやがれ!」
恥も外聞もなく踵を返して走り去るバッガモナン。子分たちの足音がそれに続いた。
バルフレア「行くぜ」
南門から舞い込む微かな砂煙の中で、バルフレアは仲間たちに言った。
みみなしほういち交響組曲『ドラコンクエストヘブン アポロンの約束』
Disc1(オーケストラ・ヴァージョン)
01.序曲のマーチヘブン
02.インテルメッツォ
03.王宮のバラック
04.陽だまりの庭~祈りの丘の水オルガン~陽だまりの庭
05.アリエヘンの城下町
06.憩いの街角~村のたたずまい
07.地平線~トゥール-ポワティエ間の人身事故~再開のめど~JR地平線
08.果てなき戦い~ものすごいどや顔で~雌雄決す
09.羊皮紙の魔女を追え~波平に舟貸して
10.シャララの入り江
11.妖魔の住まう路~ダンボールの塔
12.噴水都市~霧に包まれて
13.水攻めのテーマ~竪琴はうたう
14.ドン・エスパドスとの死闘
15.銅鑼たちのパレード
Disc2(オリジナル・ヴァージョン)
01.序曲のマーチヘブン
02.インテルメッツォ
03.王宮のバラック
04.王宮のバラック(夜)
05.憩いの街角
06.憩いの街角(夜)
07.陽だまりの庭
08.祈りの丘の水オルガン
09.アリエヘンの城下町
10.アリエヘンの城下町(夜)
11.村のたたずまい
12.村のたたずまい(夜)
14.地平線
15.トゥール-ポワティエ間の人身事故
16.再開のめど
17.再開のめど(夜)
18.JR地平線
19.果てなき戦い
20.ものすごいどや顔で
21.雌雄決す
22.羊皮紙の魔女を追え
23.波平に舟貸して
24.シャララの入り江
25.妖魔の住まう路
26.ダンボールの塔
27.噴水都市
28.霧に包まれて
29.水攻めのテーマ
30.竪琴はうたう
31.ドン・エスパドスとの死闘
32.終曲・銅鑼たちのパレード
演奏:うそんこ楽団 指揮:みみなしほういち
■音楽:みみなしほういち ■ダンディー解説:落合英二 ■イラストデザイン:鶏
01.序曲のマーチヘブン
02.インテルメッツォ
03.王宮のバラック
04.陽だまりの庭~祈りの丘の水オルガン~陽だまりの庭
05.アリエヘンの城下町
06.憩いの街角~村のたたずまい
07.地平線~トゥール-ポワティエ間の人身事故~再開のめど~JR地平線
08.果てなき戦い~ものすごいどや顔で~雌雄決す
09.羊皮紙の魔女を追え~波平に舟貸して
10.シャララの入り江
11.妖魔の住まう路~ダンボールの塔
12.噴水都市~霧に包まれて
13.水攻めのテーマ~竪琴はうたう
14.ドン・エスパドスとの死闘
15.銅鑼たちのパレード
Disc2(オリジナル・ヴァージョン)
01.序曲のマーチヘブン
02.インテルメッツォ
03.王宮のバラック
04.王宮のバラック(夜)
05.憩いの街角
06.憩いの街角(夜)
07.陽だまりの庭
08.祈りの丘の水オルガン
09.アリエヘンの城下町
10.アリエヘンの城下町(夜)
11.村のたたずまい
12.村のたたずまい(夜)
14.地平線
15.トゥール-ポワティエ間の人身事故
16.再開のめど
17.再開のめど(夜)
18.JR地平線
19.果てなき戦い
20.ものすごいどや顔で
21.雌雄決す
22.羊皮紙の魔女を追え
23.波平に舟貸して
24.シャララの入り江
25.妖魔の住まう路
26.ダンボールの塔
27.噴水都市
28.霧に包まれて
29.水攻めのテーマ
30.竪琴はうたう
31.ドン・エスパドスとの死闘
32.終曲・銅鑼たちのパレード
演奏:うそんこ楽団 指揮:みみなしほういち
■音楽:みみなしほういち ■ダンディー解説:落合英二 ■イラストデザイン:鶏
あれこれ劇場 『ごめんね、フーちゃん』
「フーちゃんにも、あとで遊ばせてね」
午前中の青い光の中で、息を弾ませながらフーちゃんは言った。
正月休みの静寂に包まれたニュータウンの商店街の中を、おれとフーちゃんは走っていた。
おれの右手には、お年玉で買ったばかりのゲームソフト『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』の真新しいパッケージが、ポリエチレンの白い袋越しに奇妙に柔らかく収まっている。
待ちに待った『ジョーカー』――!
おれはしつこく垂れ落ちてくる洟を啜り上げながら夢中で家路を急いだ。背後を、フーちゃんの子供っぽい咳払いがついてくる。
「フーちゃんは、サソリを最強にする」
後ろでフーちゃんが宣言した。「黄色いサソリを最強にする」
「ほら、車が来るぞ」
実際に車が来る気配はなかったが、それでもおれは小走りになってフーちゃんに向き直り、その小さな手を引き寄せてグイと握り締めた。
念願のゲームを手に入れた興奮も手伝って、おれはこの純粋な弟に対していつもに増して優しい気分になっていた。「早く帰ろう」
「一個しかセーブできないね……。フーちゃん、これはお兄ちゃんしか遊べないんだよ?」
母さんが柔らかく言うと、フーちゃんの瞳が怯えたようにおれの目を見た。優しさの中にも、どこか毅然と教え諭す響きが母さんの声にはあった。
その空気をフーちゃんも敏感に察したのだろう。大きなショックに顔を赤らめながら、フーちゃんはおれから逸らした視線を絨毯の上の虚空に当てどもなく漂わせている。幼く赤い唇が、不服げに尖っていた。
その目から早くも、みるみる涙の粒が盛り上がるのが見えた。
おれは唇を噛んだ。
――ああ、またか。
と、おれは思った(あの時のフーちゃんの気の毒な表情を、おれは大人になったいまでも忘れることができない。が――、それはまた別の話)。
母さんの言う“一個のセーブ”とは、要するにゲームの進み具合を一人分しか記録しておけない、ということだった。つまり一つの『ジョーカー』のカートリッジで、おれとフーちゃんが別々に遊ぶことは不可能なのだ。理屈の上では、何千円もする『ジョーカー』のカートリッジをもう一本買わなくてはフーちゃんが遊ぶことはできなかった。
これは別に珍しいケースではない。事実、だいぶ前に『ポケモン』を買った時にもこれと全く同じ問題で激しい兄弟喧嘩になり、おれもフーちゃんも両親にこっぴどく叱られた経緯があった。それだけに、この手の問題に関しては母さんも少し慎重になっていたのだ。
「これはお兄ちゃんのお金で買ったゲームなんだから、フーちゃんは遊べないの。ね?」
言って、母さんがニンテンドーDSの本体をおれに差し出した。「あなたも、あんまりフーちゃんに見せびらかしちゃダメよ? 見せるのであれば、最後まで二人で一緒に遊ぶこと。分かった?」
おれは返事をしなかった。母さんの言葉が耳に入っていなかったのだ。おれがDSを受け取ろうとすると、母さんは素早く手を引っ込めた。
「あなた、分かったの?」
母さんの声色が若干キツくなった。軽く眉を吊り上げ、真剣な眼差しでおれの目を覗きこんでくる。
おれは遂に、一つの考えを口にした。
「――じょ、『ジョーカー』は、フーちゃんが遊んでもいいよ」
押し寄せる寂しさに鼻の奥がツンとなったが、おれは我慢して続けた。「でも、あげない――あげないよ。フーちゃんは二年生だから、貸してあげるだけ。おれは、四年生だから貸してあげる」
おれは必死に涙を堪えた。それは『ジョーカー』で遊べなくなることの恐怖以外に、母さんの目の前で自分のイイところを見せつけることができた――そんな浅ましいカタルシスが確実に入り混じった涙だった。
それがまたイヤだった。
おれは母さんの手からDSを引き剥がすと、『ジョーカー』のカートリッジを手早く抜き取ってフーちゃんにそっと差し出した。
フーちゃんは涙に濡れた睫毛を光らせ、吸い寄せられるように『ジョーカー』のカートリッジを見つめている。
その小さな手のひらにカートリッジを半ば無理やり握らせると、おれは自分の部屋に引き返すべく母さんとフーちゃんに背を向けた。母さんが背後から何か心配そうに言うのが聴こえたが、おれは無視した。
ふと目が覚めると、部屋はすでに薄暗くなっていた。
カーテンが開け放しになっている。あれから陽が傾くまですっかり寝過ごしてしまったことに気づき、おれは二段ベッドの上段から慌てて身を起こした。とにかくカーテンを閉めよう――そう思ってハシゴに手をかけると、ベッド下段の縁に腰を掛けるフーちゃんの短い脚が見えた。暗がりの中で、どうやらニンテンドーDSの画面を覗き込んでいるらしい。
「――わあァっ」
おれはぎょっとなって声を上げた。「フーちゃん! 電気をつけないでゲームを遊んじゃいけないんだよ!?」
言いながらも、おれはDSの画面が気になって大急ぎでハシゴを降り、フーちゃんの隣に座った。画面には、おれが貸してあげた『ジョーカー』の美しい映像が映し出されていた。
「つかまえたよ」
フーちゃんは、おれに秘密を囁くように言った。「黄色いサソリを、つかまえたんだよ」
画面の中には確かに、黄金色の輝きを放つ“おおさそり”の姿があった。捕獲したばかりらしく、名前の入力待ちの状態になっている。
「よかったね」
おれは嬉しくなって言った。“おおさそり”は、どういうわけか以前からフーちゃんのお気に入りのモンスターだった。「名前は何にするの?」
「に、兄ちゃんの名前をつけよう」
口調に、おれに気兼ねするような響きがあった。「兄ちゃんと一緒に遊びなさいって、母さんが言った」
フーちゃんはおれに必死で気を遣っているのだ、とおれは直感した。
「ありがとう」
言いながら、おれはフーちゃんから受け取ったDSの画面の中の“おおさそり”のデータに目を落とす。
その“おおさそり”はメス(♀)だった。
おれは吹き出しそうになるのを堪えながら、フーちゃんの顔を見た。薄闇の中で、フーちゃんが嬉しそうにおれを見ている。
「――ありがとう……」
おれはもう一度言って、画面内の“おおさそり”を見た。「それじゃあ、おれの名前をつけるよ?」
おれの名前は――。
なまえを いれてください「*****」(了)
午前中の青い光の中で、息を弾ませながらフーちゃんは言った。
正月休みの静寂に包まれたニュータウンの商店街の中を、おれとフーちゃんは走っていた。
おれの右手には、お年玉で買ったばかりのゲームソフト『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』の真新しいパッケージが、ポリエチレンの白い袋越しに奇妙に柔らかく収まっている。
待ちに待った『ジョーカー』――!
おれはしつこく垂れ落ちてくる洟を啜り上げながら夢中で家路を急いだ。背後を、フーちゃんの子供っぽい咳払いがついてくる。
「フーちゃんは、サソリを最強にする」
後ろでフーちゃんが宣言した。「黄色いサソリを最強にする」
「ほら、車が来るぞ」
実際に車が来る気配はなかったが、それでもおれは小走りになってフーちゃんに向き直り、その小さな手を引き寄せてグイと握り締めた。
念願のゲームを手に入れた興奮も手伝って、おれはこの純粋な弟に対していつもに増して優しい気分になっていた。「早く帰ろう」
「一個しかセーブできないね……。フーちゃん、これはお兄ちゃんしか遊べないんだよ?」
母さんが柔らかく言うと、フーちゃんの瞳が怯えたようにおれの目を見た。優しさの中にも、どこか毅然と教え諭す響きが母さんの声にはあった。
その空気をフーちゃんも敏感に察したのだろう。大きなショックに顔を赤らめながら、フーちゃんはおれから逸らした視線を絨毯の上の虚空に当てどもなく漂わせている。幼く赤い唇が、不服げに尖っていた。
その目から早くも、みるみる涙の粒が盛り上がるのが見えた。
おれは唇を噛んだ。
――ああ、またか。
と、おれは思った(あの時のフーちゃんの気の毒な表情を、おれは大人になったいまでも忘れることができない。が――、それはまた別の話)。
母さんの言う“一個のセーブ”とは、要するにゲームの進み具合を一人分しか記録しておけない、ということだった。つまり一つの『ジョーカー』のカートリッジで、おれとフーちゃんが別々に遊ぶことは不可能なのだ。理屈の上では、何千円もする『ジョーカー』のカートリッジをもう一本買わなくてはフーちゃんが遊ぶことはできなかった。
これは別に珍しいケースではない。事実、だいぶ前に『ポケモン』を買った時にもこれと全く同じ問題で激しい兄弟喧嘩になり、おれもフーちゃんも両親にこっぴどく叱られた経緯があった。それだけに、この手の問題に関しては母さんも少し慎重になっていたのだ。
「これはお兄ちゃんのお金で買ったゲームなんだから、フーちゃんは遊べないの。ね?」
言って、母さんがニンテンドーDSの本体をおれに差し出した。「あなたも、あんまりフーちゃんに見せびらかしちゃダメよ? 見せるのであれば、最後まで二人で一緒に遊ぶこと。分かった?」
おれは返事をしなかった。母さんの言葉が耳に入っていなかったのだ。おれがDSを受け取ろうとすると、母さんは素早く手を引っ込めた。
「あなた、分かったの?」
母さんの声色が若干キツくなった。軽く眉を吊り上げ、真剣な眼差しでおれの目を覗きこんでくる。
おれは遂に、一つの考えを口にした。
「――じょ、『ジョーカー』は、フーちゃんが遊んでもいいよ」
押し寄せる寂しさに鼻の奥がツンとなったが、おれは我慢して続けた。「でも、あげない――あげないよ。フーちゃんは二年生だから、貸してあげるだけ。おれは、四年生だから貸してあげる」
おれは必死に涙を堪えた。それは『ジョーカー』で遊べなくなることの恐怖以外に、母さんの目の前で自分のイイところを見せつけることができた――そんな浅ましいカタルシスが確実に入り混じった涙だった。
それがまたイヤだった。
おれは母さんの手からDSを引き剥がすと、『ジョーカー』のカートリッジを手早く抜き取ってフーちゃんにそっと差し出した。
フーちゃんは涙に濡れた睫毛を光らせ、吸い寄せられるように『ジョーカー』のカートリッジを見つめている。
その小さな手のひらにカートリッジを半ば無理やり握らせると、おれは自分の部屋に引き返すべく母さんとフーちゃんに背を向けた。母さんが背後から何か心配そうに言うのが聴こえたが、おれは無視した。
ふと目が覚めると、部屋はすでに薄暗くなっていた。
カーテンが開け放しになっている。あれから陽が傾くまですっかり寝過ごしてしまったことに気づき、おれは二段ベッドの上段から慌てて身を起こした。とにかくカーテンを閉めよう――そう思ってハシゴに手をかけると、ベッド下段の縁に腰を掛けるフーちゃんの短い脚が見えた。暗がりの中で、どうやらニンテンドーDSの画面を覗き込んでいるらしい。
「――わあァっ」
おれはぎょっとなって声を上げた。「フーちゃん! 電気をつけないでゲームを遊んじゃいけないんだよ!?」
言いながらも、おれはDSの画面が気になって大急ぎでハシゴを降り、フーちゃんの隣に座った。画面には、おれが貸してあげた『ジョーカー』の美しい映像が映し出されていた。
「つかまえたよ」
フーちゃんは、おれに秘密を囁くように言った。「黄色いサソリを、つかまえたんだよ」
画面の中には確かに、黄金色の輝きを放つ“おおさそり”の姿があった。捕獲したばかりらしく、名前の入力待ちの状態になっている。
「よかったね」
おれは嬉しくなって言った。“おおさそり”は、どういうわけか以前からフーちゃんのお気に入りのモンスターだった。「名前は何にするの?」
「に、兄ちゃんの名前をつけよう」
口調に、おれに気兼ねするような響きがあった。「兄ちゃんと一緒に遊びなさいって、母さんが言った」
フーちゃんはおれに必死で気を遣っているのだ、とおれは直感した。
「ありがとう」
言いながら、おれはフーちゃんから受け取ったDSの画面の中の“おおさそり”のデータに目を落とす。
その“おおさそり”はメス(♀)だった。
おれは吹き出しそうになるのを堪えながら、フーちゃんの顔を見た。薄闇の中で、フーちゃんが嬉しそうにおれを見ている。
「――ありがとう……」
おれはもう一度言って、画面内の“おおさそり”を見た。「それじゃあ、おれの名前をつけるよ?」
おれの名前は――。
なまえを いれてください「*****」(了)
緊急ネタ企画 『DQ9』スタッフに仮想インタビュー
【ご注意】 ※この記事の内容は全て架空のものです。文中に登場する「堀井」「DQ」「DS」等の固有名詞は実在の人物および商品名を示すものではありません※
――『DQ9』がDS用に決まった経緯を教えていただけますか?
堀井「うーん……。けっこうね、これは怒られるだろうな、とは思ってましたね(爆笑)。僕は昔から、ずっとオンラインのゲームを作りたかったんですよ、実は。でもなかなか時間が取れなくて、今までそういうことに関われなかったんですよね。で、そういうゲームを『DQ』の方法論で作ったらどうなるのか、ということを何となく考え始めていたところに、ちょうどDSの時代が来ちゃった、みたいな。わりと思い切ったことをしやすい状況が、自然と出来上がっていたんですよね。色んな意味で。
――今回の『9』は、DSのブレイクありきの企画だった?
堀井「うーん、そう。DSの特性と普及台数があれば、楽しいことが起こせるだろうと。ただ、僕が作るんだったらもうタイトルは『DQ』でいいんじゃないかと思ったんですよ。例えば呪文だって、回復だったらもうホイミでいいでしょ。で、どうせなら何かインパクトのあるタイトルにしたかったので、いっそのことDSで『9』にしちゃったら面白いんじゃないかって(笑)。「DSでDQかよ!」みたいな。良くも悪くも話題になるだろうとは思ってましたね。
――色々な意味でショックを受けたユーザーは多いと思うのですが……。そもそもどうして戦闘のシステムが変わっちゃったんでしょうか?
堀井「それについては色々と思うところがありまして……。壊すって言うとちょっと変だけど、『DQ』でも、ここへ来て外伝のゲームとか凄く数が増えて、そういう試みをけっこうみんな喜んでくれているんですよね、お蔭さまで。例えば今の小学生だったら、初めてやったDQが『スラもり』だったりとか。
――はいはい。
堀井「今後はどんどんそうなっていくと思うんですよ。色んなタイプのDQが、全体としてひとつの『DQ』だ、というような。
――ジャンルの多様化ですか?
堀井「多様化そのものが目的ってことじゃなくて、お客さんそれぞれが、自分の好きな『DQ』の世界で遊べる、というのが理想ではありますね。それで、そういう冒険を、もうシリーズ本編でやっても大丈夫な時期に来ているだろう、と思ったんですよね。娯楽って、何かひとつ強烈な驚きがないとソッポ向かれちゃうでしょ。だから今回も驚いてもらおうと。それも今までの「おおー!」って感じじゃなくて、「おや?」っていう感じでね(笑)。驚いたでしょ?
――驚きましたよ……。今日せっかく『シレンDS』の発売日だったのに、何かもうそれどころじゃなくなっちゃいました。
堀井「まじめな話をすると、ゲームってもう新作を見た時に「おお!」って驚くことが少なくなってきてますよね。『DQ8』の時は、ハードもPS2で、性能も凄く上がっているし、日野君たちと組んで3Dで何でも出来る! という部分で、それはそれで驚きがあって楽しかったんだけど、ここらで僕らとしても、そろそろ絵とかボリュームに代わる驚きを何か示したいな、と常々思ってたんですよ。ちょうどDSが大ブレイクして、僕としても敷居の低いオンラインゲームを作る絶好のチャンスだと思ったし。で、せっかく作るのなら誰もが気軽に遊べるゲームにしたい。その一方で、『DQ』シリーズの最新作も準備していかないといけない。実際、DSがあればそういうことが一気に実現できてしまうんですよ。それが一番大きかったですね。
――分かりました。最後にひとつ、堀井さんが絶対に言わないお言葉をお願いします。
堀井「お前死ねばいいのに(笑)。
――今日は本当にありがとうございました。
――『DQ9』がDS用に決まった経緯を教えていただけますか?
堀井「うーん……。けっこうね、これは怒られるだろうな、とは思ってましたね(爆笑)。僕は昔から、ずっとオンラインのゲームを作りたかったんですよ、実は。でもなかなか時間が取れなくて、今までそういうことに関われなかったんですよね。で、そういうゲームを『DQ』の方法論で作ったらどうなるのか、ということを何となく考え始めていたところに、ちょうどDSの時代が来ちゃった、みたいな。わりと思い切ったことをしやすい状況が、自然と出来上がっていたんですよね。色んな意味で。
――今回の『9』は、DSのブレイクありきの企画だった?
堀井「うーん、そう。DSの特性と普及台数があれば、楽しいことが起こせるだろうと。ただ、僕が作るんだったらもうタイトルは『DQ』でいいんじゃないかと思ったんですよ。例えば呪文だって、回復だったらもうホイミでいいでしょ。で、どうせなら何かインパクトのあるタイトルにしたかったので、いっそのことDSで『9』にしちゃったら面白いんじゃないかって(笑)。「DSでDQかよ!」みたいな。良くも悪くも話題になるだろうとは思ってましたね。
――色々な意味でショックを受けたユーザーは多いと思うのですが……。そもそもどうして戦闘のシステムが変わっちゃったんでしょうか?
堀井「それについては色々と思うところがありまして……。壊すって言うとちょっと変だけど、『DQ』でも、ここへ来て外伝のゲームとか凄く数が増えて、そういう試みをけっこうみんな喜んでくれているんですよね、お蔭さまで。例えば今の小学生だったら、初めてやったDQが『スラもり』だったりとか。
――はいはい。
堀井「今後はどんどんそうなっていくと思うんですよ。色んなタイプのDQが、全体としてひとつの『DQ』だ、というような。
――ジャンルの多様化ですか?
堀井「多様化そのものが目的ってことじゃなくて、お客さんそれぞれが、自分の好きな『DQ』の世界で遊べる、というのが理想ではありますね。それで、そういう冒険を、もうシリーズ本編でやっても大丈夫な時期に来ているだろう、と思ったんですよね。娯楽って、何かひとつ強烈な驚きがないとソッポ向かれちゃうでしょ。だから今回も驚いてもらおうと。それも今までの「おおー!」って感じじゃなくて、「おや?」っていう感じでね(笑)。驚いたでしょ?
――驚きましたよ……。今日せっかく『シレンDS』の発売日だったのに、何かもうそれどころじゃなくなっちゃいました。
堀井「まじめな話をすると、ゲームってもう新作を見た時に「おお!」って驚くことが少なくなってきてますよね。『DQ8』の時は、ハードもPS2で、性能も凄く上がっているし、日野君たちと組んで3Dで何でも出来る! という部分で、それはそれで驚きがあって楽しかったんだけど、ここらで僕らとしても、そろそろ絵とかボリュームに代わる驚きを何か示したいな、と常々思ってたんですよ。ちょうどDSが大ブレイクして、僕としても敷居の低いオンラインゲームを作る絶好のチャンスだと思ったし。で、せっかく作るのなら誰もが気軽に遊べるゲームにしたい。その一方で、『DQ』シリーズの最新作も準備していかないといけない。実際、DSがあればそういうことが一気に実現できてしまうんですよ。それが一番大きかったですね。
――分かりました。最後にひとつ、堀井さんが絶対に言わないお言葉をお願いします。
堀井「お前死ねばいいのに(笑)。
――今日は本当にありがとうございました。
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