テレビゲームあれこれ日記

ネタバレ注意! 『FF12日記』 (最終回)  ――RPGの旗艦、迷走す――

【ご注意】 ※この記事はPS2用ソフト『ファイナルファンタジー12』のゲーム終盤(エンディング含む)の内容に触れています※

 おかげさまで先日『FF12』をクリア致しました。

 本作の目玉であるシームレスバトルも飽きずに楽しめたし(実際まだ飽きていない)、登場キャラクターたちもビジュアル、性格付けともになかなかに魅力的。

 細かい不満は数あれど、トータルで見れば今のところDSの『FF3』と並んで今年最も楽しめたロールプレイングゲーム(RPG)です。

 ただし残念なことにこの『FF12』、結末で大ポカをやっておるのですね。

 本作のヒロインの一人――アーシェ王女の、空賊バルフレアへの伏線なき愛の告白(?)。 
 何の前触れもなくラストになっていきなり「バルフレアあああぁぁーー!」だもんなあ……。うえーん切ないよお。この種の衝撃は現実の世界だけでもう沢山なんだよう(グチグチ……涙)。

 無論、それさえなければ完璧であったか、と言えばそんなことはありません。

 ストーリー面で僕が一番気になったのは、序盤からのカタカナ固有名詞の乱発(ダルマスカ王国の王都ラバナスタのガラムサイズ水路のやぶら小路の何とかのパイポパイポのシューリンガン、etc)。
 まるでアナウンサーが読むニュース原稿のようで、とてもじゃないが覚えようという気にならん!
 しかし――。個人的には、それはまだギリギリ“作風”の範囲内かな、という気持ちもあります。この“作風”が『FF』というメジャータイトルにふさわしいかどうかはまた別の問題ですけれど。

 あとはまあ、お話に起伏がほとんどないことと、線が細いこと(興味を持続しにくい――いわゆる“骨太なストーリー”とは真逆の状態ですね)。

 それと、終わり方が強引すぎる点。未回収の伏線もけっこうある。
 ネット上に寄せられた意見の中には「まるで連載漫画の打ち切りのような不自然な終わらせ方だ」との指摘がありましたが、まさに言い得て妙で思わず唸ってしまいました(実際このゲームは、何らかの事情によって事実上“未完”のまま発売を余儀なくされたフシがあるため、そこをあんまり突っつくのもかわいそう、という気もする)。

 ゲーム面での不満は、上記のストーリーの問題とも関連するのですが、最後のダンジョン(超巨大な空中要塞)のヤッツケっぷりが凄まじすぎたことです。

 エレベータを上っただけで、何といきなり最上階に到着。そんでボス戦。
 そういうポカ(?)の連鎖爆発を散々見せつけられた挙げ句の、先述のアーシェ王女のあの熱暴走ですよ。
「こ、これは……! きっとこのまま泣く泣く製品化せねばならなかったほどの、よほどの事情があったに違いない」と、下世話な勘繰りの一つもしてみたくなるというもの。

 ところで、主人公とされる少年・ヴァンの存在理由の希薄さは確かに重大問題ですが、このゲームって、主人公にプレイヤー自身の名前を付けることができないのですよね。

 そうなるとやはりこの物語は特定の主人公を立てない“群像劇”と捉えることができます。
 つまりですよ、各プレイヤーが、自分の好きなキャラを“主人公”にできる!

 そんなふうに合理化を図りつつ、2周目はちゃっかりバルフレアを心の主人公としてプレイする予定。
 でもそうなると、バルフレアの決めゼリフである「この物語の主人公は俺だぜ!」が、逆説的に意味を持たなくなるのだよなあ……。

 あれは、主人公じゃないキャラが言うからこそ深みの生まれるセリフですからね。
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by atom211974-3 | 2006-11-09 23:03
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